たとえどれほど強い悪魔が、どれほど強い邪悪な心をもってしても。
決して人の中にある善は、完全に無にすることはできない。 そんな物語があったような気がする。 そしてそれは真実だと思う。 どれほど汚れにまみれてしまっても。 決して人の心の中からは消えないものがある。 オルゴールはさび付いても、手入れをしてやればまた奏でる。 心の片隅に追いやってしまった大切なものや 忘れえぬ大事な気持ちを。 A will そう題されたフラッシュです。 感動して涙が出ました、なんてそれだけで片付けられなかった。 作中出てくる台詞ですが。 『よく、リアルとROっていうけどさ。 何が違うんだろうね。 俺ん中じゃ気持ちはいつだって、リアルだよ』 今度書こうと思っていたブログのネタにも通じるところがある。 ROは仮想世界。その中で使われる『リアル』という言葉は、『現実世界』として使われることが多い。 けどこの場合の『リアル』は違う。 『真剣』の意だ。 遊ぶことに、夢中だからこそ、真剣に取り組める。そういうことなのだ。 自分が真剣に取り組んできたもの。 この世界で一生懸命に積み上げてきた物語。 たとえそれが壮絶な物語でなくとも。 ROという世界ではありきたりな、ごく普通の一幕だったとしても。 それはその人だけの物語で、他の誰もが代役を務めることができない。 たった一つしかない、大切なもの。たった一つしか存在し得ないもの。 『結果』を中心に物事を考えれば、『最適化』『最強』『効率』そんな言葉が常に周囲を取り巻いてしまうのかもしれない。GvGとか特に。組織戦は結果『も』非常に重要なのだし。 それはそれでひとつの価値を持つ大事なことではある。 先立つものがなければ何もできないし、夢も理想も実現できなければ空論に過ぎない。どこかで力は必要になる。 けど、そこに自分が真剣に取り組んできたものは、結果とは別に自分だけの価値、というものが生まれるのだと思う。 それはどれほど小さな石ころのようであったとしても、でこぼこしていたとしても、それはその人がその瞬間にしか作りえなかったものだから。 自分から求めた楽しいもの、その結果の価値を他者に依存しないもの。 なくなりつつあるものは、こういうことなのかもしれない。 汚れて汚れて、乾いてしまったとき。 たまには、心の引き出しの鍵を開けてみてください。 鍵をなくしても、誰かが語るその言葉が、きっと鍵になることでしょう。 そこに、忘れていたアルバムが、きっとあるはずです。 あなただけの永遠の輝きを持った、忘れえぬ物語が、きっとそこに。
by silver-dream
| 2005-09-07 02:09
| RO
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